更新頑張ってますが気が遠くなります。文字数卒論(笑)の倍は書きました。めげずに頑張りましょう、頑張る...

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1.基本情報

和名:アオヒメハナムグリ
学名:Gametis forticula forticula (Janson,1881)
体長:13.3〜16.5
分布:近畿以西、四国、九州、対馬、甑列島、大隅諸島、トカラ列島、奄美諸島、沖縄諸島

2.形態

オキナワコアオハナムグリの別名が表す通り、コアオハナムグリを少し大きくして、毛と白点を減らしたような風貌。体色はコアオよりも鮮やかな深緑色〜黄緑色で、本原亜種は光沢を欠く。また、コアオハナムグリと異なり顕著な色彩変異は存在しない中胸腹板突起は細く突出した先で楕円状に広がっており特徴的だ。(あくまで個人的な感想に過ぎないが)最大の特徴は腹面の色彩で、鮮やかな赤褐銅色を呈する。
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雌雄判別は前脚ケイ節で行う。
オス(1枚目)とメス(2枚目)を比較すると後者の方が幅広であることがわかる。

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幼虫は比較的カナブンに近い形状をしており、表皮が非常に柔らかく体毛が濃い。また、他種と比較して腹部が太くなる傾向にある。下画像のように、C字型に丸まる擬死行動を取る。

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3.生態

幼虫は上記画像のようにリター層直下の砂混じりの土壌を中心に生育し、飼育下であれば2ヶ月あまりで成長を完成させる。私は確認していないが、樹洞等からも得られるそうだ。開けた場所であれば環境を厳しく選ぶことはないものの、林縁や海岸林等に個体数が多い。恐らく本土や九州島嶼に生息する個体群と以南の個体群では活動時期やサイクルが異なる。前者はコアオハナムグリと同じく晩夏に羽化した個体が活動し越冬後、春季に産卵を行うものと思われる。後者は大まかに前者と同じだが、春季に産卵された個体は2ヶ月ほどで羽化し初夏に産卵、初夏に産卵された個体は秋季に羽化し越冬を行う、つまり年に2回、あるいは数回サイクルが回っているのではないか。成虫は各種の花を中心に利用するが、他の訪花性ハナムグリよりもバナナトラップへの感応度が高く、普通に個体数が稼げる。成虫の活動時間は外気温が上がると午前中に偏り、飛来ピークは午前10時頃。

7月に採集した本種
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4.採集

南西諸島においては3月以降、本土においては4月下旬以降、各種花のルッキングやスウィーピングで得られる。本土において6月〜8月にかけては個体数が減っている、もしくは見られない可能性がある。バナナトラップも有効だが気温が上がらないと効果を得にくい。島嶼部であれば本種が7.8月にも活動していることからバナナトラップも十分に効果を発揮する。幼虫、新成虫共に季節を問わず堀りでも採集が可能だ。林縁、海岸林の、各種腐植物の堆積物直下や、砂が混じる土壌の比較的浅い箇所から得られる。

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5.飼育

本種を含めた訪花性ハナムグリ野外品の産卵や幼虫育成は極めて容易だ。活動中の成虫を採集した場合でも越冬中の成虫を採集した場合でも適当な用土に放り込んでおけば、3、4月以降勝手に産卵を行う。むしろ幾ら加温しても冬季には産卵を行わず、体内時計が比較的しっかりしていることが窺える。野外品を産卵させると幼虫は遅くとも夏頃までに羽化する。成長スピードは極めて早く驚くこと間違いなし。この際、産卵用土や幼虫の飼料はどんなものでも問題ないが、強いて言えば黒土や川砂を混ぜた方が栄養過多、不全等のリスクを減らすことができる。これらの個体は休眠を挟まずすぐさまハッチ、活動を開始するためエネルギー切れを起こす前に後食をさせる必要がある。問題はその後で、春の野外品をセットする際と同様の環境で産卵セットを組んでも産卵に至らないことから、人為的、あるいは屋外放置等による越冬が必要と思われる。越冬後に体内時計を機能させる必要があるか否かは未検証だが、おそらく日照時間変化等の刺激が必要。