国ブン手稿

主にアマチュア採集家が国産ハナムグリ×クワガタの生態に迫るブログです

カテゴリ: 国産ハナムグリ基礎知識

本記事では私が実践しております一般的なハナムグリを繁殖させる基礎的な方法を紹介いたします。基本的な流れはカブトムシの繁殖とほとんど同様です。

1.産卵環境

1-1 産卵容器
ハナムグリの飼育に大きい容器は必要ありません。産卵セットに使用するケース虫カゴやパンケース程の大きさがあれば問題ありません。詳しい説明は省きますが、蓋等に穴を開け、通気性を確保しましょう。

1-2 産卵時の水分量
触って少ししっとりぐらいの水分量で問題ありません。クワガタやカブトより気持ち少なめの水分量で問題ありません。

1-3 産卵に使用するマットについて
多くの種がクワガタやカブトムシ用のマットや腐葉土を用いる事で産卵が可能です。大抵の場合、分解が進んだ(黒くなっていたり、カブクワの飼育に一度使用したもの)を用いると有利に働きます。マットの詰め具合に関して、ケース底部は少し押し固め上半分は被せる程度の認識で問題ありません。

1-4 その他必要なもの
成虫の餌はカブトムシクワガタ同様市販の昆虫ゼリーや果物等で十分です。 暴れ回り転倒したまま死亡してしまう事態を防ぐため足場となる枝葉やティッシュ等を入れましょう。

1-5 温度
殆どの種は20度〜25度前後で活発に産卵しますハナムグリの産卵は産卵セットや温度よりも、季節感や体内時計に大きく左右されます。そのため外気温の酷暑や厳寒をマイルドにしつつも季節の節目を虫が感じ取れる環境、要するに通常の室内環境であれば特別な温度管理は必要ありません。

2.成虫準備、ペアリング

2-1 成熟
前述した通り、ハナムグリの産卵は使用する道具や飼料よりも成虫のコンディションがなによりも重要となります。いわゆる性成熟の状態です。野外採集の個体であればそのまま使用してしまい問題ありません。人工飼育下で羽化させた個体はワインセラーや冷蔵庫など、暗くて温度が低い場所で本来の活動時期になるまで休眠させると良い結果に繋がります。多くの種がクワガタ等と同じく、日照時間が長くなる時期に羽化した個体はその年に活動しますが、日照時間が短くなっていく時期に羽化すると一年以上休眠することもあります。また、一部の種類では卵巣の発達が日照時間に左右されているようで、夜行性であるクワガタやカブトと同じ飼育環境では新成虫の繁殖が難しいものも存在します。

ハナムグリは繭を割ってしまうと程なくして元気に動き回り餌も食べるため、一見すると成熟期間を設ける必要がないように思えます。実際には内臓器官や生殖器官が完全に出来上がっているわけではないので繭玉は割らないに越したことはありません。多くの種が野外と同じサイクルを重視することで問題なく累代が可能です。成熟を見極める1つの指標として飛ぶか飛ばないかというものがあります。成熟してる個体は暴れ回るだけでなく積極的に飛翔します。
成熟がなされない個体には「一度冷暗所に置いたのち、夜間でも明るく暖かい場所に置き直す」といった方法も有効なケースがあります。

2-2 ペアリング
基本的に自分は同居をオススメします。
性欲旺盛な彼らですが、種切れを起こす可能性もあるため同居が無難でしょう。
勿論ペアリングを行った後メスのみを投入しても問題ありません。


3.採卵 、幼虫飼育

3-1 採卵
ハナムグリはセットが適合しており生体の成熟が成されていると2.3日ほどで産卵が確認できます。多くの場合クワガタと異なり壁面から卵が見えることは稀です。然程神経質になる必要はありませんが、卵の割り出しは避けた方が無難です。殆どの種は共食いを行いません。初令での個体減少は飼料の不適合である場合がほとんどです。

3-2 幼虫飼育 湿度、カビ対策、個体密度
幼虫の体調を万全にするためには種類に適した湿度を保つことが重要です。種ごとに乾燥を好むもの、泥状を好むものが異なります。全ての種に共通することとしてハナムグリはカビや真菌の仲間に非常に弱いです。これらの菌類は空中を飛散します。そのため通気性を確保しつつも、ケースの蓋のに紙を噛ませるなどして直接外気と触れないようにします。ハナムグリは多産するため多頭飼育が一般的です。しかしこの場合一度真菌に感染すると全滅を誘発してしまいます。クワガタと違い環境をコントロールしているのではなく体内のバクテリアのみで完全な成長が可能であるため、多頭飼育のメリットは無いと言い切れます。大事な種類は迷わずに個別飼育を行いましょう。

3-3 幼虫飼育の飼料と餌交換
もちろん種により異なる状態の餌を好みますが基本的には分解が進んだ飼料を与えておくと生存率が上がります。一般的に累代が浅い個体や流通の多い種は市販マット等でも問題なく飼育可能です。飢えには強いため、餌の交換はクワガタと違い半分以上の土が糞に変わった際でも遅くはありません。クワガタほどではありませんが、餌の急な交換は幼虫へストレスを与えるため、一度に全てを交換することは避けます。彼らは自らの糞を地上に押し上げます。上部の糞を除去し、代わりに新しい餌を継ぎ足すような交換を心がけると良いでしょう。一部の種類では3令中後期以降餌交換をしたり、新鮮で栄養価の高い餌を与えると拒食を起こし死亡する場合もあるようです。  

4.繭玉、羽化について

ハナムグリは3令後期になると、周囲の土や資源を利用して卵状の繭玉を作成し、内部で蛹化〜羽化を行います。3令後期からのマット交換は既に繭玉の形成を始めている幼虫を邪魔してしまう可能性があります。繭玉を壊してしまうと、クワガタ等と比べ羽化が格段に難しくなってしまうため餌交換のタイミングには気をつけましょう。
一度完全に繭玉を形成した個体が再び繭玉を形成するケースは少なく、他個体の繭玉や人工蛹室を使用し蛹化を試みても積極的な脱走を繰り返してしまいます。衰弱死につながってしまうため慎重な扱いを心がけます。
繭玉作成時前後にマットを乾燥気味にすると繭玉内での死亡率を抑えられるうえに、繭玉が丈夫で壊れにくくなります。加えて湿度が高いと成虫の上翅に穴やシワ(ディンプル)が発生する確率が高くなるほか、死亡率も上がります。最後の餌交換の際に水はけを促進する赤玉土を加えると良い結果に繋がります。しばしば「粒子の大きい物を混ぜると繭玉を作りやすくなる」といった俗説を目にしますが国産種に関してはそのような事はなく、野外では比較的粒子の細かい土砂や木の根を壁にしたりと器用に繭を作ります。粒子に関してとくに気を使う必要はありません。
繭玉を作成してから概ね1ヶ月程度で蛹化しますが、中には繭玉内で半年以上前蛹で過ごす種もいます。前蛹の過程で繭に大きな穴をあけるとそこから脱出してしまい再び蛹化しなくなることもしばしばありますので注意しましょう。

中の様子が気になる方は繭玉の横面中心部に小さな穴を開けて確認しましょう。上下に穴を開けると羽化不全率が高くなります。

大抵の種は蛹化後1ヶ月程度で羽化します。 
繭玉を振って、中身が詰まってる感じがすれば前蛹、コロコロと感触がすれば蛹、コロコロと揺れた後に動かなくなれば、羽化しています。

羽化した成虫は取り出してもかまいませんが成熟して自力ハッチするまで放置することをお薦めします。取り出した場合成虫は成熟するまで乾燥しないような環境で餌を与えずに管理します。成虫が成熟すれば再び産卵セットを組む事が出来ます。ハナムグリ類は飼育品を産ませるのが難しいと噂されていますが、これは大方成熟のタイミング見計らい失敗によるものと思われます。

統括

以上で大まかな流れの解説は終わりです。今回の記事はかなり大雑把に要点のみを記述しました。これは、この記事を読んだ方が盲信的に本記事の飼育方法を信じ込むことを防ぐ目的があります。ハナムグリ亜科の累代飼育はまだまだ未知数な部分が多いです。そのため画一的な飼育方法を実施するのではなく多くの人々の手により様々な手法が試されるべきだと私は考えています。私個人として「これがベストだ」と考えた飼育方法は、飼育方法考察応用篇にて解説していますので興味がある方は覗いてみてください。




本記事では私が行うハナムグリ亜科の極めて基本的な採集方法と、それにまつわる用語を解説します。より専門的な採集方法は各種の紹介記事をご参照ください。

1.成虫を採集する 

5〜9月にかけて、野外で活発に活動している成虫を採集します。野外で活動している個体は性成熟や交尾を殆ど済ませているため繁殖が容易です。反面活動シーズン終盤であれば、キズや欠けがあったり、産卵を済ませていたりほどなくして寿命で死亡してしまうリスクが高まります。

1-1 花すくい 

対象 訪花性小型ハナムグリ、各種protaetia類
必要なもの 網と長竿

ハナムグリの語源は「花潜り」です。読んで字の如く、ハナムグリ族のうち多くの種は気温の上がる日中、花に集まり頭を花粉まみれにしながら植物の花粉や蜜を食します。

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このハナムグリを網と長竿を用いて捕獲するやり方を「花すくい」と呼称します。やり方として読んで字の如く捕虫網を用いて花を掬うのみです。花の掬い方は主に2種類あります。

花のついた枝ごと網の中に入れ揺さぶる手法
花自体が垂れ下がっている場合や花の一部を網の中に収めることができる場合に有効です。花を網に入れ、そのまま竿を揺すります。ハナムグリは飛翔能力に長けていますが、緊急時に飛び立つ際は一度落下してから羽を広げるため、ひとたび網の中に入れば網の底部を目掛け自から入り込んで行きます。

全体を撫でるように八の字で掬う手法

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画像のように多くの場合、ハナムグリが集まる花は高所かつ上を向いている場合が少なくありません。下から目視で虫体を捕捉することは至難の技と言えるでしょう。そこでこの方法が有効です。花が咲いている広範囲を、横から水平に撫でるように網を八の字に振り回します。枝葉が揺れるととハナムグリたちは驚いて飛び回り、網に入り込んでしまう寸法です。勿論手の届く範囲では手で摘んでしまうやり方が一番有効です。

花の選び方
花といっても花であれば無差別に集まるわけではありません。嗜好性はハチ等の昆虫と比べシビアといえます。好ましい条件としては二つ、風通しがよくよく日が当たること、花が白色〜黄色の樹種を狙うことです。後者の代表的な樹種はノリウツギやガマズミ、ネズミモチやクリ、アカメガシワ、カラスザンショウ、ホルトノキ、ヤンバルアワブキなどです。しかしアオキのように花が白くとも全く集まらない樹種もあります。

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草本にも集まる。特にセリ科は人気の物件。

長竿の長さ
長竿が長いと高所の虫を狙える反面、「しなり」が発生するため飛んでいる虫を捕らえることが難しくなります。竿の重さも重くなるほか、竿自体が折れてしまうこともあります。(長い竿ほど高価)反面竿が短いと高所の虫を捕獲できません。筆者は道具の扱いが荒く、高価な長竿を頻繁に折ってしまうため、3〜5メートル前後の竿を片手に手の届く花を探すやり方をとっています。

加味すべき季節と気候条件
風が強い日や曇りの日には向きません。また極端に気温が上がる日は虫の出現数が減ります。花を咲かせる樹種が少ない季節(6月中下旬)等には不向きです。

1-2 ルッキング(樹液採集)

対象 カナブン族、マダラ族、protaetia
必要なもの 特になし

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クワガタやカブトムシの採集と同じく樹液や熟果をルッキングする手法です。手の届く高さであれば容易に捕獲できますが、一方で高所に留まる個体の捕獲には技術が必要です。樹の幹にとまるハナムグリ類を網で捕獲する場合、網と幹で虫を挟むことになります。その際、クワガタ等であれば落下してくれるため捕獲しやすいものの、ハナムグリに関して多くの場合は隙間から飛び出してしまうために、確実な捕獲には高いスウィーピング能力が必要になります。また、南西諸島ではアダンのような熟果に群がっている様子が観測できます。


加味すべき季節や条件
樹液が発酵しない季節には不向きです。

1-3 果実トラップ採集

対象 ルッキングに準ずる
必要なもの 網、長竿、果実、ビニール袋
ストッキングや生ゴミネット、またはノムラホイホイ

本土の訪花性種以外、ほとんどの種に有効な手段です。最も効率的な採集と言えるでしょう。特に離島では本土と比べ樹液や花の発見に苦労することが多いため重宝します。発酵させた果実をストッキングなどにいれ、風通しの良い場所に設置し、誘引された虫を捕獲するやり方です。

トラップの作成
果実トラップの作成はバナナやパイナップルを酒や砂糖で漬け込むやり方をはじめとして、様々な手法があります。バナナは安価で入手しやすい反面、身が崩れやすいです。パイナップルは長持ちする反面、高価というデメリットがあります。台湾の方々はパイナップルを安く入手できることからパイナップルを置きっぱなしにするトラップを頻繁に使用しているようです。
本記事ではバナナを使用したやり方を紹介いたします。作成の要はバナナを発酵させ、昆虫を誘因する匂いを作り出すことにあります。そのため酒やイースト菌などの発酵促進剤を使用する方もいらっしゃいますが、作成時に液体を使用すると果実の実が崩れ、トラップ自体がうまく機能しなくなる場合が多いように感じました。そのため私は安価なバナナをビニール袋に入れて放置するやり方を採っています。すぐ使用したい場合には発酵促進剤を使用します。
最高気温30度を想定した夏場の屋外であれば直ちに発酵を開始し3日前後で使いどきになります。発酵させすぎると果実のほとんどが液体と化してしまうほか、匂いも落ち着いてしまうため効果が弱くなってしまいます。

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バナナをストッキングや生ゴミネットに入れビニール袋やチャック袋に投入、そのまま段ボールや発泡スチロールなどで梱包し、採集フィールドに発送してしまうやり方が楽でしょう。

果実を入れるもの
発酵させた果実を入れるもの(ガワ)ですが、主にストッキングや生ゴミネットなどの短期間で効果を発するものと、ノムラホイホイなど長期間で確実に捕らえるものに別れます。私が前者を使用するため、本記事では後者は軽く触れるのみといたします。
前者のメリットとしては嵩張らないこと、短時間で効果が発揮されることです。反面、トラップ自体が虫を拘束するものではないため、網を用いて捕獲する手間が発生します。また、雨や乾燥などによりトラップ自体が効果を発さなくなることも多いです。後者のメリットは誘引された昆虫を確実に拘束しておけること、長期間の使用が可能であること、作成方法次第では雨風を防げることにあります。デメリットとしては誘引力に欠けることです。

前者はストッキングや生ゴミネットなどに果実を入れ、クリップやフック等を使用し風通しの良い場所に仕掛けます。一つのトラップにバナナを何本使用するかという問題ですが、これは長持ちするか否かの違いにつながります。短期間で効果を出したい場合は1つのトラップにバナナを1本ずつ入れることでトラップの母数を増やすことを心掛ける一方期間の滞在を検討している場合はストッキング等の目が細かい袋に数本のバナナを投入することで乾燥を遅らせます。

後者(ノムラホイホイ)の作成方法に関しましては個々人の裁量に左右されるほか、いわゆる企業秘密的な部分が大きいので詳しい説明は割愛させていただきますが、2リットルペットボトルの上部を切り、逆さに取り付けるやり方が一般的です。牛乳パック等を使用する、嵩張らないやり方もあるようです。

トラップの設置


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作成したトラップは長竿を用いてなるべく風通しの良い枝先等に設置します。一般的に高所であるほど良いと言われていますが、風通しさえ良ければあまり関係ありません。回収の手間と相談しましょう。

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目線の高さに仕掛けたトラップでも十分効果を発揮します。

トラップは初めに広範囲に仕掛けます。すると集まる場所と集まらない場所が判明します。集まらない場所のトラップを回収し、集まる場所と同所、もしくは近くに設置し直すことで設置作業は完了です。

トラップの巡回
ここではストッキングや生ゴミネットを使用した方法を前提としています。ハナムグリ類は気温や風速などの条件が良ければ10分足らずでトラップに集まります。定期的にトラップを見回り、トラップの下から網を被せ、ゆするとハナムグリを網で一網打尽にすることができます。
ノムラホイホイの場合、即効性という観点ではストッキングなどに一歩劣りますが、集まった虫を確実に捉えることができるという点で有利です。今更書くまでもないですが、使用したトラップはきちんと回収しましょう。

加味すべき季節と天候条件
花すくいなどと比較すると風の影響を受けにくいものの、それでも風が強いと集まりが悪くなります。加えて雨が降ってしまうと仕掛けたトラップが全て台無しになってしまうため、なにかと気を使う手法です。また気温が23度を切るとトラップが発酵していても虫が集まりにくくなります。

成虫採集のやり方には他にも午前中や日没に吹き上げで、もしくは発生初期に発生源の周りやで網を振るうやり方もありますが不確実かつ筆者が使用しない方法であるため割愛します。

2.幼虫、繭玉を採集する

発生源である様々な環境を見つけ、幼虫や繭玉を素手や道具を用いて掘り起こします。幼虫が生息する環境は尾根沿いの大木付近や傾斜が少なく腐植物が溜まりやすい箇所が中心です。道沿いなどで採集できる成虫採集と比べて体力を要しますが、季節や天候に関係なく確実に採集を行うことができる他、知識と身一つで採集が可能です。個人的には小手先の技術を用いずに自然や虫と真っ向勝負ができる点や、不明な生態の解明につながる点、採集過程で様々な生物を見られることなどからお気に入りの採集方法です。成虫採集に伴う蚊やブヨ、暑さなどの不快な外的要因に晒されないというメリットもあります。

成虫採集と比べ発生源をを見つける過程がメインになり難易度は若干上がります。しかし発生源さえ発見できれば一度に多くの個体を採集できるほか、寿命の心配もありません。運が良ければ非常に美しい新成虫を発見することも可能とメリットずくめです。殆どの発生源は特徴的な糞がばら撒かれている為、糞を見つけたら周辺を重点的に捜索します。一方であまりにも糞まみれになっている箇所は既に食い尽くされた箇所である可能性があります。

2-1 倒木や立ち枯れの中を探す

訪花性小型ハナムグリに有効です。
倒木の樹皮に溜まったフレークや木の内部に潜む新成虫を割り出します。前者はアオハナムグリを中心とした採集です。後者はクロハナムグリやホソコハナムグリ、一部のシラホシ亜属に有効です。しかし、割るべき朽木の指標が少ないため難しい採集方法と言えます。このような種は夏季の採集が容易である場合が多いです。

2-2 倒木や立ち枯れと林床の接地面を探す

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障害物が朽ちてフレークになっている部分と土壌に混じる腐植土を探す方法で、先島諸島では極めて一般的な方法です。このような場所に入るハナムグリはまとまって得られることか少なく、虫の数に比べて糞の量が多くなる傾向にあります。指標となる倒木や立ち枯れ等の障害物があるため、痕跡を見つけること自体は簡単ですが、通年繰り返し使われることが少ない環境でもあるため、数を確保するには労力を要します。障害物に阻まれ雨の侵入がない、もしくは水捌けがよい腐植物と土が入り混じった場所を中心に探します。

2-3林床を探す

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指標らしい指標はありませんが、裏を返せば特定の環境に縛られていないため多くの個体を捕獲できます。基本的には砂混じりで植物の根が絡み合う場所に生息することが多いです。道沿いや海岸、崖下、ゆるやかな斜面などの水捌けがよく、落ち葉などが恒常的に供給される土壌の、落ち葉下や植物の根が絡まる下の層を探します。

2-4樹洞や倒木内のフレークを探す 

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大木が存在する環境にて樹洞内や倒木内に溜まったフレークを探す方法で、主に本土のprotaetia属に有効です。雨の侵入が少ないorほとんど無いウロを探します。上記に挙げた3つの環境と違い、泥状になっている環境も少なくありません。加齢につれて比較的「底」の方にまで潜り込んでいる場合が多いですが、糞自体は表面にまで出ているためフレーク内に幼虫がいるか否かの判別は容易です。また、このような環境は数が限られているため毎年繰り返し使用される場合がほとんどです。南西諸島ではハブが潜んでいたり、泥食いのクワガタが入っていることがあります。本土比べると有効でないかもしれません。当然ですが掘り出したフレークは元に戻しましょう。


以上が主な採集方法となっています。
各種の紹介記事ではこれらのうちどの手法が適しているのかといった情報や、実際の採集風景等を掲載します。

本ブログを読み進める上で度々使用する用語をハナムグリ亜科の基本的な形態と生態の紹介に沿って解説します。正式名称じゃなかったらごめんね。

1.成虫の形態用語解説

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1.頭楯 ここで種判別をする種もいる
2.フ節 悲しいことによく欠ける
3.脛節(けいせつ) 雌雄判別に有効。一般的にメスの方が発達する傾向にある。
4.腿節(たいせつ)
5.小楯板 しょうじゅんばん
6.上翅(鞘翅) 左右には開かない。若干凹んでいる箇所がホバリング飛行を可能にしている。

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7.下翅(写真が雑なので省略)
8.点刻 上翅全体に散らばる点状の細かい窪み
9.翅端部 上翅の先っぽ

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10.キール 上翅の隆起。一般的にオスの方が発達する傾向にある。

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11.中胸腹板突起 種判別に用いる
12.腹板 雌雄判別に用いる場合が多い。一般的にオスは何かしらの凹みを有する場合が多い。

記述漏れ 腹板上部の脚(後脚)のすぐ上には飛翔時「舵」として機能するパーツが存在する。このパーツが空中での繊細な(?)方向制御を可能としている。

2.生態について

2-1成虫
多くのハナムグリ亜科は5月から9月ごろ日照時間が十分に確保される時期の日中に活動する。餌として花(花粉や花蜜など)を中心に利用する種が4月下旬頃より出現し、樹液を中心に利用する種が続く。また一般的にオスはメスより2週間前後早く羽脱し、羽化直後のメスと交尾するために餌資源が確保できる場所や発生源の周囲を飛び回る様子がしばしば観察される。
活動期間や繁殖の可否は気温、ならびに日照時間に左右されると推測される。満足な餌の確保が難しい地域や時期では夜間でも樹液等に残留している様子が見られる。メスは日照時間が長くなっていく春〜7月頃に卵巣を発達させ、繁殖を行う。このため、飼育下においても特定の時期にセットを組まないと産卵しない種が多々存在する。このように、日光と密接に関わる生態をしており、多くの種が有する金属光沢は日光を反射し捕食者の目を眩ませる効果があると言われている。またどの種も危険を感じると特有の臭いを出すことも特徴だ。この匂いは一説によるとフェロモンであるとの説もある。
気温の上昇とともに花や樹液、熟果といった餌資源を利用するために、林縁や樹冠の開けた場所や林冠を飛び回る傾向にある。一般的に訪花性(花を中心に利用する種)の種はノリウツギやカラスザンショウ、ガマズミやクリ、アカメガシワ、ヤンバルアワブキといった白色の花を好む傾向にある。樹液食がメインとなる種では各種広葉樹の発酵した樹液の他、餌資源の少ない場所では生枝を齧り吸汁することもある。また、多くの種が果樹園では爪や食害などにより果実を傷つけるため、害虫扱いされており、フェロモントラップ等を使用した駆除が行われることもある。活動のピークは午前中と日没前で、夏場に限り正午を迎える頃には暑さを避けるため一時的に姿を隠すものの、15時ごろより日没まで再び活動を再開する。夜間は基本的に土中や枝先で過ごすと言われているが夜間の発見例は少ない。前述した通り樹液に残る個体も少なくない。灯火には集まらないが夜更かし個体が稀に誘引されてしまうことがある。
本種の生態を語る上で欠かせない着眼点は飛行方式にある。通常、鞘翅目の殆どは飛行時に上翅(鞘翅)と下翅(膜翅)を完全に展開し飛行する一方で、本亜科は上翅を僅かに浮かせ、下翅を展開することでホバリング飛行を行う。飛翔速度や空中での機動性は相当なもので、空中における本亜科の天敵はシオヤアブなど、一部の極めて高い飛行能力を持つ昆虫類に限る。高所から落下した際にも空中で羽を広げ、器用に飛翔し逃走を図ることが可能。対して地上歩行時にはヒキガエル等にしばしば捕食される運命にある。
一般的に寿命の短いイメージを持たれがちであるが、多くの種が羽化後に繭玉で半年以上を過ごしたり、新成虫として活動したのちそのまま越冬を行い、二年目の活動にて生殖を行い死亡する。ほとんどの種において、交尾を終えたメスは産卵活動を終え死滅するが一部の種はそのまま越冬し産卵に及ぶこともある。

2.卵

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ハナムグリ亜科に胎生の種は存在しない。
メスは種によって異なるものの朽木や腐植土、土壌中に20〜50個程度産卵を行う。卵の孵化期間が極端に長い種はおらずどの種も2週間ほどで孵化をする。土壌に産卵する種の卵は表面が薄汚れており、擬態効果が期待される。反面朽木中やフレーク中に産卵する種の卵は上記画像(アオハナムグリ)のように純白であることが多い。

3.幼虫

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幼虫の体色は白色で、オレンジ色〜褐色の小さい頭部を持つ典型的なジムシ体型。頭部には1対の歯を有し、腐食質を噛み砕き摂食する。種によっては捕獲された際に積極的に噛みつき反撃を行うものもいる一方で、擬死に徹するものもいる。足を有するものの、歩行に際して脚部はそれほど使用しない。歩行は背面を地面につけた蠕動式。移動スピードは比較的早いが、それでもヒキガエルやモグラ鳥類など様々な天敵に捕食される。最大の天敵は真菌類(メタリジウムと呼ばれるカビの一種)だ。これらの真菌の中にはハナムグリ類に好んで取り憑き分解し、植物の養分に変える種も存在する。種ごとに表皮の厚さや体毛の数が若干異なる。体の殆どは消化管であり脂肪質がそれを覆う形となっている。絶食環境に置かれ糞を排出すると体長が1/3以上に縮む。

多くの種は腐植土や土壌、その他植物の枯死部分に潜行しており、それらを食しながら成長する。摂食スピードは著しく餌資源をあっという間に紡錘型の特徴的な固形糞に変えてしまう。野外の幼虫生息環境は糞で溢れかえっていることも多く、大抵の林床でハナムグリ幼虫の痕跡が容易に発見できる。幼虫期間は種や産卵された時期により異なる。同種においても、孵化より2ヶ月足らずで蛹化する個体も、1年以上の幼虫期間を有する個体も存在し、寿命は可変的。
種としての幼虫期間は概ね1年前後が主流であるものの、羽化まで2年以上の歳月を要する種も存在する。ステージは初令、2令、3令のみであり亜成体等は存在しない。


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幼虫は土中で口から粘液を吐き、器用に堅固な繭玉(蛹室)を形成し、内部で蛹化〜羽化する。

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前蛹の写真。
本亜科の前蛹は自力での歩行可能である期間がかなり長いため、なんらかの事情で繭玉が破壊されてしまった際には自らすすんで脱出や逃走を行う。しかし自力で繭玉を作り直せる期間自体は短いため、あまり意味を為していない。

前蛹期間が短い種は繭玉形成時に土中の根や周囲の障害物を利用するケースが多く、反対に長期間前蛹や新成虫で過ごす種は土壌を活用し堅固で完全な繭玉を作成することが多い。

4.蛹

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内部で蛹化し、羽化に至る。
蛹自体の期間はどの種も1ヶ月程度だが、大型種は前蛹の期間が長くなる傾向にある。中には半年以上を前蛹で過ごす種も存在する。

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新成虫は繭玉内で越冬もしくは成熟を待ち、春の訪れと共に雨や湿気で柔らかくなった繭玉を自力で破り、活動を始める。

以上が基本的な形態と生態となります。 

本記事では掲載写真の種名を記載しておりません。今後の記事に登場するであろう彼らが、なんの種類であるのかを予想してみるのも一興ではないでしょうか(手抜きです、ごめんなさい)


一般的な有人島、若しくは虫屋的に関心度が高そうな島を中心に、国産ハナムグリ亜科の生息要件をまとめました。種を採集する際の目安として自分用に作成したものを改良しています。一部種の南北東西の生息限度など曖昧な部分や不明瞭な部分がございますので随時調査次第更新を行う所存です。


北海道地域

奥尻島:ナミハナムグリ

北海道、青森県:コアオハナムグリ、アオハナムグリ、ナミハナムグリ、クロハナムグリ、アオカナブン、クロカナブン、シロテンハナムグリ、ムラサキツヤハナムグリ、ミヤマオオハナムグリ、シラホシハナムグリ、アカマダラハナムグリ   

※シラホシハナムグは外来?

本州東部地域

本州:岩手以南フォッサマグナ以北

コアオハナムグリ、ナミハナムグリ、アオハナムグリ、クロハナムグリ、カナブン、アオカナブン、クロカナブン、シロテンハナムグリ、シラホシハナムグリ、ムラサキツヤハナムグリ、ミヤマオオハナムグリ、アカマダラハナムグリ※カナブン(ナミカナブン)の北限は宮城県

粟島:コアオハナムグリ、ナミハナムグリ、アオハナムグリ、クロハナムグリ、カナブン、シロテンハナムグリ

佐渡島:コアオハナムグリ、ナミハナムグリ、アオハナムグリ、クロハナムグリ、カナブン、アオカナブン、クロカナブン、シロテンハナムグリ、シラホシハナムグリ、ムラサキツヤハナムグリ、ミヤマオオハナムグリ、アカマダラハナムグリ


本州西部四国九州

本州フォッサマグナ以南、四国、九州:

コアオハナムグリ、ナミハナムグリ、アオハナムグリ、 クロハナムグリ、ホソコハナムグリ、アオヒメハナムグリ(オキナワコアオハナムグリ)、カナブン、アオカナブン、クロカナブン、シロテンハナムグリ、シラホシハナムグリ、ムラサキツヤハナムグリ、ミヤマオオハナムグリ、キョウトアオハナムグリ、アカマダラハナムグリ

※アオヒメハナムグリやキョウトアオハナムグリは千葉県等の暖地性の地域に生息を広げている可能性がある。


伊豆諸島

大島、利島、式根島、神津島、東京都湾岸部

コアオハナムグリ、ナミハナムグリ、カナブンクロハナムグリ、シロテンハナムグリ、オオシマツヤハナムグリ(リュウキュウツヤハナムグリ奄美大島亜種)

新島:コアオハナムグリ、ナミハナムグリ、カナブン、クロカナブン、シロテンハナムグリオオシマツヤハナムグリ(リュウキュウツヤハナムグリ奄美大島亜種)

三宅島:コアオハナムグリ、ナミハナムグリシロテンハナムグリ

御蔵島:コアオハナムグリ、ハナムグリ、 シロテンハナムグリ、ムラサキツヤハナムグリ

八丈島:コアオハナムグリ、ハナムグリ、 シロテンハナムグリ、オオシマツヤハナムグリ(リュウキュウツヤハナムグリ奄美亜種)

※奄美大島からの移入種。

小笠原諸島、硫黄島:ハナムグリ、コアオハナムグリ、ハイイロハナムグリ(移入) シロテンハナムグリ(移入)


日本海側の諸島

隠岐諸島:ナミハナムグリ、アオハナムグリ(島後のみ)、オキアオハナムグリ(アオハナムグリ隠岐島前亜種)、アオヒメハナムグリ(島後)、クロハナムグリ、カナブン、アオカナブン、 シロテンハナムグリ、ムラサキツヤハナムグリ、アカマダラハナムグリ

壱岐:コアオハナムグリ、ナミハナムグリ、アオハナムグリ、カナブン、シロテンハナムグリチョウセンシラホシハナムグリ(シラホシハナムグリ朝鮮半島亜種)、キョウトアオハナムグリ

対馬:コアオハナムグリ、ナミハナムグリ、アオハナムグリ、クロハナムグリ、 カナブン、クロカナブン、シロテンハナムグリ、チョウセンシラホシハナムグリ、シナハナムグリ(固有種)

五島列島:コアオハナムグリ、ナミハナムグリゴトウアオハナムグリ、クロハナムグリ、カナブン、アオカナブン、フクエアオカナブン(福江島のみ。アオカナブン福江島亜種)シロテンハナムグリ、ムラサキツヤハナムグリ、キョウトアオハナムグリ


熊毛諸島

屋久島:コアオハナムグリ、ナミハナムグリアオハナムグリ、アオヒメハナムグリ、 クロハナムグリ、ホソコハナムグリ、カナブン、クロカナブン、シロテンハナムグリ、シラホシハナムグリ、ムラサキツヤハナムグリ、ヤクシマアオハナムグリ(キョウトアオハナムグリ屋久島亜種)、 アカマダラハナムグリ

種子島:コアオハナムグリ、 ハナムグリ、オキナワコアオハナムグリ、ゴトウアオハナムグリカナブン、クロカナブン、 シロテンハナムグリシラホシハナムグリ、 

ヤクシマアオハナムグリ(キョウトアオハナムグリ屋久島亜種)

黒島:ナミハナムグリ、オキナワコアオハナムグリ、カナブン、

ヤクシマアオハナムグリ(キョウトアオハナムグリ屋久島亜種)

馬毛島:ハナムグリ、オキナワコアオハナムグリ、シロテンハナムグリ、エサキツヤハナムグリ(リュウキュウツヤハナムグリ宝島亜種)

熊毛硫黄島:ナミハナムグリ、シロテンハナムグリ、エサキツヤハナムグリ(同上)

竹島:ハナムグリ、エサキツヤハナムグリ

口之永良部島:ナミハナムグリ、アオヒメハナムグリ、クチノエラブアオハナムグリ(オオシマアオハナムグリ口永良部亜種)、シロテンハナムグリ

甑諸島は随時追加予定


トカラ列島

口之島、中之島:アオヒメハナムグリ、トカラアオハナムグリ(オオシマアオハナムグリ中之島亜種)、トカラツヤハナムグリ(リュウキュウツヤハナムグリ中之島亜種)、トカラシロテンハナムグリ(シロテンハナムグリトカラ亜種)

臥蛇島:スワノセアオハナムグリ(オオシマアオハナムグリ諏訪瀬亜種)、トカラシロテンハナムグリ、エサキツヤハナムグリ(リュウキュウツヤハナムグリ宝島亜種)

諏訪瀬島:アオヒメハナムグリ、スワノセアオハナムグリ、トカラシロテンハナムグリ

悪石島:アオヒメハナムグリ、スワノセアオハナムグリ、アクセキツヤハナムグリ、トカラシロテンハナムグリ

宝島:アオヒメハナムグリ、エサキツヤハナムグリ (鹿児島県南端佐多岬にも生息)


奄美群島

喜界島:アオヒメハナムグリ、キカイシロテンハナムグリ(イシガキシロテンハナムグリ喜界島亜種)シロテンハナムグリ(移入)、オオシマツヤハナムグリ、

奄美大島:アオヒメハナムグリ、シロテンハナムグリ(移入)、サカイシロテンハナムグリ(シロテンハナムグリ朝鮮亜種、移入)、アマミオオハナムグリ、オオシマアオハナムグリ、オオシマツヤハナムグリ  

徳之島:アオヒメハナムグリ、トクノシマオオハナムグリ(リュウキュウオオハナムグリ徳之島亜種)トクノシマアオハナムグリ(オオシマアオハナムグリ徳之島亜種)、オオシマツヤハナムグリ

沖永良部島:アオヒメハナムグリ、オキナワシロテンハナムグリ(イシガキシロテンハナムグリ沖縄亜種)、リュウキュウツヤハナムグリ、エラブアオハナムグリ(オオシマアオハナムグリ沖永良部亜種)


琉球諸島

与論島:アオヒメハナムグリ、 オキナワシロテンハナムグリ、エラブアオハナムグリ、リュウキュウツヤハナムグリ

伊平屋島伊是名島:イヘヤアオハナムグリ(オオシマアオハナムグリ伊平屋亜種)、アオヒメハナムグリ、サカイシロテンハナムグリ、リュウキュウツヤハナムグリ、リュウキュウオオハナムグ

沖縄本島、伊江島、渡嘉敷島: アオヒメハナムグリ、オキナワシロテンハナムグリ、サカイシロテンハナムグリ、オキナワコアオハナムグリ、リュウキュウツヤハナムグリ、リュウキュウオオハナムグリ、リュウキュウアオハナムグリ(オオシマアオ沖縄亜種

久米島:アオヒメハナムグリ、リュウキュウツヤハナムグリ、リュウキュウオオハナムグリクメジマアオハナムグリ(リュウキュウアオハナムグリ久米島亜種)


宮古諸島

宮古島、多良間島:ミヤコチャイロカナブン(チャイロカナブン宮古島亜種、宮古島のみ)、ミヤコアオヒメハナムグリ、(アオヒメハナムグリ宮古亜種)ミヤコシロテンハナムグリ(イシガキシロテン宮古亜種)、ミヤコオオハナムグリ(固有種)、ミヤコツヤハナムグリ(リュウキュウツヤ宮古亜種、宮古島のみ)ハイイロハナムグリ(移入)、サカイシロテン(移入)


先島諸島

石垣島、西表島:チャイロカナブン、サキシマアオカナブン(固有種)、サキシマアオヒメハナムグリ(アオヒメハナムグリ先島亜種)、カバイロハナムグリ、ハイイロハナムグリ(移入)クロハナムグリ、イシガキシロテンハナムグリサカイシロテンハナムグリ(移入)

波照間島:サキシマアオヒメハナムグリ、イシガキシロテン

与那国島:ヨナクニアオヒメハナムグリ(アオヒメハナムグリ与那国亜種)、ヨナグニチャイロカナブン(チャイロカナブン与那国亜種)カバイロハナムグリ、ヨナグニシロテンハナムグリ(イシガキシロテンハナムグリ与那国亜種)、タイワンシラホシハナムグリ与那国亜種


黒島、小浜島等は随時追加予定



以上代表的な島々の生息状況となっております

「ハナムグリ」の定義

等ブログで取り扱う「ハナムグリ」は「ハナムグリ亜科」を指します。正確には、コウチュウ目、コガネムシ上科、コガネムシ科、ハナムグリ亜科、ハナムグリ亜科を指します。
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初っ端からなんとも味のある手書きの画像で恐縮です。ここでのポイントは二点
1.ヒラタハナムグリやトラハナムグリ、ヒゲブトハナムグリはハナムグリ亜科ではない。(カブトムシとコガネムシぐらい違う)
2.コガネムシ上科は取り扱う可能性アリ

ややこしい分類ですが、ある程度簡単な法則性があります。まず鞘翅目、所謂甲虫目は上翅が硬いグループです。次に甲虫目を大よそ二分するオサムシ上科とカブトムシ上科は、概ね肉食と草食という括りに分けることができます。
カブトムシ上科の中に数ある上科のうちの一つ、コガネムシ上科は、主に枯死した或いは動物に分解された植物を餌として利用し、幼虫の頭部が硬く、牙と歩行用の足を有するという特徴があります。そして、最後にコガネムシ上科の中のコガネムシ科は、他のアツバコガネ科やクワガタムシ科が枯死した木材など比較的細胞壁がしっかりした分解が難しい資源を利用することに対し、比較的分解の進んだ、土に近づいた朽木や落ち葉、植物の髭根といった資源を利用します。また、幼虫の形態は「C字型」であることが殆どです。

コガネムシ科以下の分類に関して、つまりハナムグリ亜科の最たる特徴は以下の二点。

・成虫の鞘翅が癒合している
(飛翔時には上翅を開放せず下翅でホバリングを行う。実際に癒着している訳ではない)
・幼虫は背面歩行を行う

数あるハナムグリ亜科の種類ですが、上記二点のみは必ず備えている特徴です。

他、頭部が四角形にであったり鞘翅の表面が平らであったりと、概ね同じ形状を備えています。

オオチャイロハナムグリ、オオトラフハナムグリ、ヒゲブトハナムグリのように、名称にハナムグリが付いている種でもハナムグリ亜科以外は原則として取り扱いません(面白かったら書くかも)

以下、本邦に生息するハナムグリ亜科を記載しておきます。

ハナムグリ亜科分類表

順序は概ね参考文献のものに従っております。 

1.カナブン族カナブン亜族

1-1カナブン属
カナブン(ナミカナブン。本ブログではしばしばナミカナブンと呼称します)
1-2アオカナブン属
サキシマアオカナブン
クロカナブン
アオカナブン
フクエアオカナブン(アオカナブン福江島亜種)
1-3チャイロカナブン属
チャイロカナブン(八重山亜種)
ミヤコチャイロカナブン(宮古島亜種)
ヨナクニチャイロカナブン(与那国亜種)

2.マダラハナムグリ族 

2-1マダラハナムグリ属
アカマダラハナムグリ

3.ハナムグリ族  ハナムグリ亜族-1

protaetia属があまりにも多いので見やすさのために途中分断しております。
3-1コアオハナムグリ属
コアオハナムグリ
アオヒメハナムグリ
ミヤコヒメハナムグリ(アオヒメ宮古亜種)
イシガキヒメハナムグリ(先島亜種)
ヨナクニヒメハナムグリ(与那国亜種)

3-2クロハナムグリ属  
3-2-1クロハナムグリ亜属

クロハナムグリ 
3-2-2ホソコハナムグリ亜属
ホソコハナムグリ

3-3ハナムグリ属
3-3-1ハナムグリ亜属

ハナムグリ
アオハナムグリ
オキアオハナムグリ(隠岐島前亜種)
ゴトウアオハナムグリ(五島列島亜種)

3.ハナムグリ族  ハナムグリ亜族-2

3-4シロテンハナムグリ属

3-4-1イシガキシロテンハナムグリ亜属
イシガキシロテンハナムグリ
キカイシロテンハナムグリ(喜界亜種)
オキナワシロテンハナムグリ(沖縄亜種)
ミヤコシロテンハナムグリ(宮古亜種)
ヨナクニシロテンハナムグリ(与那国亜種)
3-4-2シラホシハナムグリ亜属
シラホシハナムグリ
チョウセンシラホシハナムグリ(朝鮮亜種)
ムラサキツヤハナムグリ
ミヤマオオハナムグリ
ミヤコオオハナムグリ
ヨナグニシラホシハナムグリ
3-4-3リュウキュウオオハナムグリ亜属
リュウキュウオオハナムグリ
アマミオオハナムグリ(奄美亜種)

トクノシマオオハナムグリ(徳之島亜種)

シロテンハナムグリ
サカイシロテンハナムグリ(朝鮮亜種)
トカラシロテンハナムグリ(トカラ列島亜種)
3-4-4シナハナムグリ亜属
シナハナムグリ
3-4-5リュウキュウツヤハナムグリ亜属
リュウキュウツヤハナムグリ 
オオシマツヤハナムグリ(奄美亜種)
トカラツヤハナムグリ(中之島亜種)
アクセキツヤハナムグリ(悪石亜種)
エサキツヤハナムグリ(宝島亜種)
ミヤコツヤハナムグリ(宮古亜種)
3-4-6オオシマアオハナムグリ亜属
キョウトアオハナムグリ

ヤクシマアオハナムグリ(キョウトアオハナムグリ屋久島亜種)

オオシマアオハナムグリ(原名、奄美生息)
トクノシマアオハナムグリ(徳之島亜種)
オキノエラブアオハナムグリ(沖永良部亜種)
オキナワアオハナムグリ(沖縄亜種)
イヘヤアオハナムグリ(伊平屋亜種)
クメジマアオハナムグリ(久米島亜種)
クチノエラブアオハナムグリ(口永良部亜種)
トカラアオハナムグリ(中之島亜種)
トカラアオハナムグリノムライ(同種個体群)

スワノセアオハナムグリ(諏訪瀬亜種)
3-4-7カバイロハナムグリ亜属
カバイロハナムグリ(八重山亜種) 
3-4-8ハイイロハナムグリ亜属
ハイイロハナムグリ

4.アリノスハナムグリ族 

4-1アリノスハナムグリ亜族 
4-1-1ハコガタハナムグリ属
チャイロホソハナムグリ
4-2スジホソハナムグリ亜族
4-2-1スジホソハナムグリ属
スジホソハナムグリ

以上60種類(亜種含む)が国内に産するハナムグリ亜科です。本ブログで取り扱う種となっています。

参考文献
「日本産コガネムシ上科図説第2巻食葉群」  
酒井香・藤岡昌介著 
コガネムシ研究会監修  稲垣政志写真
昆虫文献 六本脚刊 2007年11月1日


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