国ブン手稿

主にアマチュア採集家が国産ハナムグリ×クワガタの生態に迫るブログです

カテゴリ: 国産クワガタ

お久しぶりです。

私事で恐縮ですが、この度大学を無事4年間で卒業しました。同時に、2016年より始めた当ブログに投稿予定の記事材料集めも殆ど終わりに近づいてきています。さて、当ブログは国ブン手稿と銘打ち、ハナムグリに関する情報のみを発信すべく、これまで「クワガタの採集記」は全て非公開にしていました。しかし、筆者の私もクワガタキッズの端くれです。記念すべき学生時代最後の記事ということもあり、今回は例外として掲題の通り「ヤエヤマコクワガタの幼虫採集」こと夢の1本をお送りいたします。

1.留意した事項

今回の西表島におけるヤエヤマコクワの材割採集は以下の点に留意しつつ実施いたしました。

・感染状況を踏まえ、マスク手洗い消毒等の徹底、現地の方との接触を避けることを意識。加えて石垣到着時点でのPCR実施(当然ですが陰性でした)

・国立公園法における特別保護区、及び第一種保護区での採集は避ける

・林野庁管轄の自然保全利用地区での採集は避ける(そのような地域でヤエヤマコクワが採集できるのか、という問題について、ライトトラップのポイントとなっている箇所や、市街地等の街頭でも拾えることを加味すれば自ずと疑問は消えるのではないかと思います。また採集行為自体にも賛否両論あるかと思いますが、採集の自粛が求められている保全利用地区においてすらマルバネなどを採集しに入山する方々が多く存在する以上、本行為のみが特別咎められる謂れはないと考えています。)

・上記2点の地域を避けた自然保護利用地区では、枯木の伐採や昆虫採集等が規制されている訳では無いものの、当該地区設定の本義に照らし合わせ、必要以上の破壊行動等は避けるよう努める。(道具を用いた材割は行わず、素手による採集を行う。素手で材割が出来るのか?という疑問についても読み進めて頂ければ解決するかと思います)

また、西表島においてはレクリエーション目的以外での入山について事前の申請が推奨されていますが、レクリエーションの範囲に昆虫採集を含めるか否かという問題はあくまで自己判断に委ねられていると判断したため、今回は当日の入山届提出に留めました。

2.プロローグ

遡ること6年2016年の夏、私は某即売会で知り合った方に、当時は市場でも希少だったヤエヤマコクワの産卵について質問をしていました。ヤエヤマコクワといえども、所詮はアマミコクワの亜種です。アマミコクワの産卵方法で爆産するのではないか、と思うのが定石でしょう。
当時聞いていたアマミコクワの産卵セット内容は「水分多め柔らかめの朽木を、マットに半分埋める」といったものでした。この手法は、通説で語られているアマミコクワの幼虫生息環境を想像すれば、まさしく理にかなっているものです。アマミコクワの幼虫は、沢沿いの倒木や立ち枯れに入っている、そうです。当時は現地に行って確かめる術がないため、私はこの情報を鵜呑みにし、アマミコクワだけでなくヤエヤマコクワもこのようなセットで産卵させていましたが、産卵数はワンシーズン10数個と振るわない結果でした。対して知人は、30個前後の産卵数を叩き出しており、私は気になり産卵方法を聞くに至ります。
すると、返って来た答えは意外にも「柔らか目のカワラ材をフタマタみたいに転がす」といったものでした。おや?私が聞き及んでいたセット内容と違うぞ、と。そして同時に、このような一言を頂きました「従来提唱されているアマミコクワの産卵する環境と、ヤエヤマコクが同じ環境に産むのであれば、ヤエヤマコクワの幼虫もとっくに見つかっているよねといった文言です。そうです、2022年現在、本種が初発見された1994年より、ヤエヤマコクワの幼虫は未だ発見されていませんでした。なるほど、なんて斬新な考え方なんだろうか、当時は感動したものです。「幾ら幻のクワガタといえども、所詮はアマミコクワの亜種、同じ環境に生息しているのが当たり前だろう」と、常識に囚われていた自分の恥ずべき姿を認識しました。学者やプロの採集家が、何人も西表島に赴いて、アマミコクワ如きと同環境に生息する昆虫を採集できないわけがない。つまり、ヤエヤマコクワは我々が想像もつかない突飛な環境に生息するのだ...と、当時は思っていました。この言葉はロマンへと変わり、何年も私を焦がす材料となりますした。何せ、国産クワガタ約80種のうち、現在幼虫の居場所が判明していない種はこのヤエヤマコクワの他に存在しなかったからです。(だよね?)

3.ヤエヤマコクワ概説

殊更説明するまでもないでしょうが記事の尺を増やすため今回のターゲットについておさらいします。

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和名:ヤエヤマコクワガタ
学名:dorcus amamianus yaeyamaensis hori 94
分布:西表島

当該種はアマミコクワd.amamianus amamanusの八重山亜種。ネット上には石垣島での採集記録が転がっていますが、少しでも採集に携わる人からすれば全くの嘘っぱちであることがわかる劣悪な記事です。コクワと銘打たれていますが、どの亜種もコクワとは打って変わって個体数は多くなく、特に本種はかなり個体数が少ないようです。加えて、風貌や系統はヒメオオクワガタに近く、樹上性が強い他、比較的標高のある箇所を好みます。
飼育下ですら産卵数は多くないものの、十分な餌があれば3年程度生存するなど寿命が長い傾向にあります。本種は主にバナナトラップやライトトラップといった「どこにいるか特定できなくても採集できる手法」により採集されています。ヤエヤマコクワも例外ではなく、6月前後を中心に極めて高所のバナナトラップや、ライトトラップで得られています。本種は94年の記載後、11年まで複数頭(5頭とかだったような)しか採集されていませんでした。そのため、随所で「幻のクワガタ」「採集日本最難関」などと謳われている様子が散見されます。個人的には先達が発見したポイントでライト焚いて待つだけの通えば絶対に採集できる採集で「難しい」だとか、林道(道があるのに!)を10キロ歩く程度で「キツい」とか言ってしまうのは如何なものかと思います。ライトトラップのポイントが発見されるなど、本種の採集自体は「採集最難関」では無くなったものの、相変わらず生態、つまり幼虫や成虫の食性判明はしていません。一方で、アマミコクワやリュウキュウコクワ等に関しては「沢沿いの倒木や立ち枯れ」に入るとされています。要するに理論的には西表島で沢沿いの倒木や立ち枯れをくまなく探せば材割採集は可能というワケです。

最後に、本亜種の形態について軽く触れておきます。本亜種は高額なため、市場には所謂他亜種との「交雑モノ」が出回っています。交雑してしまった個体を完全に見分ける手法は残念ながらありませんが、本種の特徴を抑えておくことで「らしい」個体を選ぶことはできます。

・雌雄共に安定して赤褐色の体色だが、奄美徳之島にも同様の変異は見られる。
・オスは前胸部と胴体の太さが同程度で、前胸は頭部にかけて寸詰りになっている。他亜種は前胸部が太く、四角形寄りになる。
・オスの頭部、前胸は艶消しになるが他亜種は光沢が腹部と変わらない。
・オスの頭盾は平らになる。他亜種はアーチ状
・メスの前胸辺縁部の点刻は他亜種と比べて密になる
本来はかなり特徴が際立つ亜種であり、国産種の中でもかなり上位の人気を誇ります。

4.調査〜他亜種の生息環境〜

私が初めて累代に成功したクワガタは沖縄亜種のリュウキュウコクワであり、初めて1万円以上の買い物をしたのは、当時は高価だったヤエヤマコクワそのものでした。何を隠そう私は本来コクワガタが大好きです。しかし相手は幻のクワガタであり、私のようなアマチュアがいきなり狙っても採れる相手ではないでしょう。実の所、ヤエヤマコクワを採ろうなんて大それた目標は当初全く抱いておらず、学生時代終盤になり、ある種の腕試しをしたくなり、ようやく計画するに至った次第です。

そもそも本来ハナムグリ屋の私は、クワガタのために西表に裂く時間と金銭的余裕がありません。そのため、身近な採集や行く先々で近縁種や亜種の採集を行うことで断片的な情報を集める策を取りました。ちなみに西表島自体は別種の採集で過去にも赴いていましたが、当時はサキシマアオカナブンや◯ちゃんに精一杯で時間の余裕もなく、手がかりすら掴めていません。

4-1 本土近縁種

借金に塗れ島に赴くことができずとも、出来る事は幾らでもあります。友人との付き合いがてら幾度となく赴いていたヒメオオ採集やオオクワ採集では、しばしば立ち枯れや倒木を狙うことがありました。しかし、一口に倒木といえども虫が入る倒木と入らない倒木があります。違いとしては「朽ちてから倒れている」か「倒れてから朽ちているか」といったものです。当然前者の方が菌の周りが綺麗で、枯れ方や虫の入りが断然良い傾向にあります。また、倒木から虫を出すにあたって「立ち枯れに虫が入った後に、木が倒れている」のか「木が倒れたのちに虫が入ったのか」といった事も考えるようになりました。また、オオクワ採集では親虫が飛来しやすい立地植生風通し等を常に考える姿勢を身に付けるに至りました。

そして最後に、高校時代もとい三重時代の、なんでもないような「コクワガタ」の採集経験が役に立つこととなります。中高時代、ヒラタやノコギリの採集に勤しんでいた私には「本邦におけるクワガタは、基本的に羽化に至ることのできるサイズの立ち枯れや基本的に接地している倒木、埋没材といったように、幼虫が活動できる体積がある程度確保されている環境に生息するもの」との先入観があったため「腕ほどの細さしかない樹上の枯れ枝を平地の中大型クワガタは積極的に利用しない」とすら考えていました。三重県は関西and雨量が極めて多い土地柄のせいか、倒木からはオオゴキブリばかりが出土します。たまのクワガタもノコやヒラタが入り混じるなど、関東では腐るほど目にしていた「コクワガタだけが出る環境」というものが少ないことに違和感を覚えていました。そんなコクワガタのみが出る環境を見つけたのは、飼育に使えるであろうカワラ材を伐採集めている時で、コンクリートで舗装された道に落ちている枯れ枝を割ると、コクワのみが出てきたといった経験があります。他の島においてもコクワガタ(レクトゥス)の採集に苦戦した際は、島民が捨てたホダ木であったり、立ち枯れが倒れたものなど、前述した通りの「朽ちてから倒れた物件」に救われていたものです。これらの経験が、奄美や徳之島での発見に繋がることとなります。

4-2 アマミコクワ

次なるターゲットはアマミコクワガタです。本来奄美にはオオシマアオハナ原名の記事を書く為に訪れています。滞在が1日かつオオシマアオハナの採集に手間取ってしまい、アマミコクワ捜索にあたってあらゆる環境を試す余裕はありませんでした。そのため、始めからセオリー通りに標高を上げて沢沿いに向かいます。

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手当たり次第倒木を割りますが、出てくるのは案の定ゴキブリ、ヒラタや別の固有種。結果的にアマミコクワが出た材は湿度もそれほど高くない立ち枯れでした。

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ちなみに別のクワガタさんとは顎の付け根の色や頭の形等で、ヒラタとは顎の湾曲や下唇の大きさ等の特徴から、容易に判別が可能です。アマミコクワは頭の形が角ばっており、顎の付け根にかけて入れ込んでいることが特徴で、顎の付け根の色や顎先は本土コクワと似たものになっています。

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個体数が減っているとはいえ、かなりの本数を叩いたにも関わらず「湿度の高い沢沿いの倒木」には個体数が少ない。このことから、アマミコクワは本来他の環境を好むのではないか、という可能性が浮上しました。また同時に南西諸島はただでさえゴキブリやシロアリの個体密度が高く、ヤエヤマコクワが倒木に生息しているという可能性は限りなく低いのではないかとも考えました。

4-4トクノシマコクワ

次に赴くは徳之島です。こちらも滞在時間が1日しかありませんでしたので、奄美での反省を活かし先にクワガタから捜索した所、今度は危うくオオシマアオを確保し損ねる所でした。ハナムグリが稜線に多い一方で、クワガタ類は圧倒的に沢沿いの方が採集しやすい、と言う事情が両立を難しくしています。ちなみに、徳之島のオオシマアオは全亜種中最も光沢が強い美麗種です。別記事で紹介中なので是非ご覧あれ。

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先の奄美にて、沢沿いの倒木というステレオ環境を狙う非効率性を理解したものの、アマミコクワを得た立ち枯れという環境は、絶対的な本数が少ない上に、ゴキブリやヒラタ等が多く入ります。ここで、三重で経験したコクワのみが入る物件を思い出し「ヒラタが入らない程度であろう太さの落ち枝」を探す作戦にシフトしました。程なくして、手首ほどの細い落ち枝から幼虫を確保。オオクワ採集時に意識していた「開けた立地」にも該当しており樹上性の本種でも活動しやすい旨が窺えました。

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一匹見つければ付近に数匹いるのがクワガタの鉄則...という持論はオオクワ採集を以て打ち砕かれたのですが、念の為付近も確認します。結果、同様の物件から追加で成虫を確保。それでも同一物件内の個体密度はかなり低いです。ちなみに、採集時は2月でもあったにも関わらず割り出し後に程なくして活動を始めています。

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その後も複数頭採集しましたが、やはり本種のみが得られた材は「落ち枝」で、更に詳しく述べると落ち枝はどれも白色不朽菌により極めて柔らかくなっており、手で潰せる程度のものでした。画像を見ていただければ分かるかと思いますが、木質の繊維が極めて明瞭になっており、幼虫自身も繊維に沿って食い進んでいることが分かります。一方で沢沿いの倒木や立ち枯れからは、やはり別種のクワガタが出土するばかりで、コクワと思しき個体は得られませんでした。これでなんとなく本種が利用できる環境が見えてきましたね。

「直径5センチに満たない白色腐朽落ち枝」

さて、本種の生息環境を予想するにはヒメオオ採集で散々考えた「虫入ってから木が倒れているのか」「木が倒れてから虫が入っているのか」これらの差異を検討するべきでしょう。まず枝が地面に落ちてからコクワが入るケースですが、これに関しては可能性が少ないと考えられます。本種の入る枝はただでさえ柔らかく朽ちており、このような材が一度地面に落ちてしまえば、朽木食のゴキブリやシロアリ、その他雑虫等により分解されてしまうでしょう。他にも雨による浸水や獣等による捕食、様々な危険要因が存在します。つまり、樹上の朽ちた枝にコクワが入り、中を食い進むことで、菌の腐朽作用と併せて枝自体が柔らかく脆くなり、枝自身の自重で落下したと考える方が良さそうです。

また、以上の旨より、南西諸島においてアマミコクワ「のみ」が利用する環境とは、白色腐朽菌により朽ちた樹上の細枝であることが予想されます。このような物件は樹上での生活に適応してきた彼らだからこそ、利用し得る物件と言えるのではないでしょうか。勿論従来の説通り、沢沿いの倒木や立ち枯れ等も利用するのでしょうが、このような環境では他種との競合に打ち勝つ必要が生じます。虫にとってストレスフリーである物件がどちらか、我々が効率よく採取する為に探す物件がどちらか、言うまでもありません。加えて、沢という環境は、斜面に落ちた枝や倒木が集積される地形でもあると同時に、沢沿い自体にも木は生えており、上を見上げれば朽ちた枝が存在することもあります。
一口に沢沿いの「朽木」に生息するといえどもアマミコクワが「虫が入った後材がなんらかの影響で沢に移動した材」である一方、他のクワガタ類は「材が沢沿いに移動してきた後に産卵しに来る」と考えれば棲み分けが為されていると考えられるのではないでしょうか。

さて、冒頭に触れたヤエヤマコクワガタの産卵方法を思い出してください。
柔らか目のカワラ材をフタマタみたいに転がす
そうです、野外においてよく朽ちた落ち枝が転がっている状況は、ヤエヤマコクワの飼育法と重なります。そして「アマミコクワの産卵する環境と同じ環境に産むのであれば、ヤエヤマコクワの幼虫もとっくに見つかっているよね」
私は改めてこの言葉を反芻すると共に、下記のように解釈しました。

「アマミコクワとヤエヤマコクワの食性が異なるのではなく、アマミコクワの生態自体が曖昧に解釈されていたのではないか。」


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どうせ垢バレしてるだろうし多少はね?

これにて仮説が整いました。
後は実地に赴き検証を行うのみです。

5.ヤエヤマコクワの採集と環境

ヤエヤマコクワがこれまで採集されてこなかった理由や生息環境に予想を付けた上で、勝算ありきの出陣です。無謀な挑戦では決してありませんでしたが、それでもやはり前人未到のハードルは高く感じます。今回はかなりハードスケジュールで、先週まで遠征していた手前出発し石垣でサキシマアオを回収し、与那国のハナムグリを全種回収、西表島に2日間滞在する、と言う日程でした。

滞在日数が少ない理由としては石垣与那国を経た上で、集中力と体力をフルで発揮できる日数の限界が2日間だと判断したからです。本音としては学生最後の時間を虫採りなんかに費やしたくありませんでした。余談ですが、前々回の屋久島口永良部では屋久島の高山で雨の中夜通し材割りした結果口永良部で熱を出し(当たり前)、前回の奄美徳之島沖永良部では鳥刺にカンピロバクターを食らいながら採集、本遠征は、石垣着いてすぐ受けたPCRが陰性だったものの、直後に再び発熱、サキシマアオを確保してからは流石に車内でずっと寝込むといったように、こかなり身を削っていた自覚があります。

そんなスタートを切った先、石垣でも「らしき材」には手をつけましたが、やはり出るのはサキシマヒラタばかりです。

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続く与那国ではチョコラやアリナミンなどの力を借りつつハナムグリを採集。普通に生活していてコンビニ栄養ドリンクの力を借りることはあまりないかと思いますが、体調が悪い際や踏ん張りたい時にはかなり効果があると感じています。お勧めです。

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与那国のヒラタやネブトなども一通り出しつつ

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夜間採集ならではの生物と戯れ

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4大珍蛇の一角ことミヤラヒメヘビにも遭遇。

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ハナムグリなども無事確保し、与那国島を発ちます。そしてついに2年ぶりに上陸した西表、これまでの遠征では軒並み悪天候に遭遇してきたものの、今回ばかりは見事なまでの晴天だったこともあり、体の芯から採れる確信が湧き上がっていました。

与那国から石垣に戻り、西表に着いた頃には既に夕方だったので、この日は翌日に備えるつもりでした。そして荷造りをしている際、なんと与那国島に7年付き添ったブロハンを置き忘れてしまったことに気づきました。完全に余談ですが、この辺りの心境もツイッターに書いていたため後から見返すと笑いが込み上げてきます。

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ブロハンを生贄に捧げたお陰かはたまた学生最後の採集に臨む気概が引き寄せたのか、やはり不幸と幸福は代わる代わる訪れるものです。タイトルに書いてしまっているので隠す必要は全くありませんが、結果的に僅か1頭ではあるもののヤエヤマコクワ幼虫の採集に成功しました。肝心の周辺環境や材の具合は以下の通りです。

まず環境です。西表のように手付かずの原生林が占める土地において、我々の手の届く高さで湿度を確保しつつ虫の飛来に支障をきたさず、白色腐朽菌の成長に適している環境には沢沿い周辺や、ギャップ、舗装されていない林道といったものが挙げられます。(下載画像の枯枝から採集した訳ではないもののイメージとして掲載)

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沢沿いにはそのような環境が多い反面、現実的に採集を行う落下材が浸水しがちというリスクを孕んでいます。今回は結果的に標高200メートル弱の稜線から採集に至りました。

物件の状態としては、やはり柔らかく朽ちた細枝でした。地上6メートル程の高さから落下したであろう落ち枝は既に殆どが砕け、分解されており相当に柔らかいことが分かる物です。不思議なもので、材を目にした時には既に入っている確信が持てました。掴むように崩すと、早速立派な食跡が出現します。

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この時点で写真を撮り、震える手足を抑えながら成虫の出現に備えて動画を回していたのですが、食跡の主は既に抜けていたようです。
当時の気温は22度を優に超えていました。徳之島コクワが割り出した後、すぐさま活動していたことを加味すると、本種が活動を開始している可能性も否めないのではないかと思います。落胆したのも束の間、代わりに2齢と思しき幼虫が出現しました。

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樹種はシイでしたが、これはさしたる問題ではなでしょう。実の所、この時点で時刻は午前11時ごろで、普段であれば時間ギリギリまで粘って...というパターンが多かったため、呆気なさに開いた口が塞がりませんでした。なんなら前々回のヤクスジや前回の徳之島アオは終了ギリギリで出しましたし与那国チャイロに至ってはレンタカー返却時間10分前にポイントを見つけた次第です。

加えて3齢と思わしき食跡の主が抜けてしまっていたことへの落胆や、残り時間を如何に使うかといったことで頭が一杯で、嬉しさが全くついて来ませんでした。一方で、他種(ヒラタ)である可能性に対する不安は全くと言って良いほどありませんでした。幼虫の形態については後ほど詳しく触れます。

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まず目に入るのは顎の形状や頭部の色でした。
次に体躯ですが、ヒラタ初令にしては大型なで2齢にしては小型といったサイズです。また、頭幅と胴幅の比率も判断材料になります。

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その後も日が暮れるまでみっちり藪を漕ぎ、沢を登ったり降りたり、稜線なども含め開けている環境を中心にかなりの範囲を散策しました。

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しかしながら、上記のような物件や、これまでの経験を通じてイメージしていた物件には移動時間を除く約14時間の採集を通じて、僅か2件しか巡り会えませんでした。立ち枯れ等にはやはりヒラタが入ってしまいます。

帰るまでヤエコだと無理やり自分に言い聞かせてたヒラタ2齢()FullSizeRender

また、アマミコクワ系統が利用する枝程度の柔らかさであればまだしも、ブロハン無しで割れる硬さの材は極めて限られています。なんらかの道具を所持していれば(環境保護の観点からは好ましくないものの)より個体数を稼げた可能性もあります。一方で、むしろ割る本数を極限まで絞り、確実に入っているであろう物件を探したからこそ採取に至ったのではないかと思う節もありました。なんにせよ改善余地は幾つかありそうです。今回は水や食糧が底を尽き靴やズボンも破れてしまったので退散。ついでにスマホのカメラも壊れ、裏世界西表に突入。

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最終日も山に入りましたが、流石に体が限界に近く、1つの斜面しか手をつけることができませんでした。こちらはハズレだったようで、ヤケクソにカバイロなどを摘みつつ終了。

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最後の遠征はいつもの港です。最普通種コクワガタから始まった私の青春は最難関種ヤエヤマコクワ採集で締め括られました。

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ヒラタとの幼虫形態比較
肝心の採集物について、注目するポイントは以下の通りです。これも説明するまでもありませんが、本島においてヤエコと形態が似ている種はヒラタのみとなっています。

・頭部形状、頭幅と体の比率
コクワの頭部は、大袈裟に言えば上辺の方が長くなる台形。友人曰く「グッときてキュッ」。一方ヒラタは四角形に近い。また、ヒラタの顔にはハの字の凹みが深く刻まれる。

・頭部、顎基部色
ヒラタはコクワと比べて格段に色が濃い。尚、頭部の色は餌の水分量等で多少変化するので過信しない方が良い。顎基部の色彩はコクワの方が薄く鮮やか。

・顎湾曲
一番確実な判別方法だと考えている。コクワの顎は外側内側共に湾曲が少ない。加えて顎の中央部外側で急に細くなる。ヒラタは根本から顎先まで緩い湾曲が一直線に繋がる。

・唇(?)の面積
両顎に挟まれている箇所(唇?)の面積。コクワの唇は顎中央部手前で途切れているが、ヒラタのソレは顎の中央部を越えて広がっている。

ヤエコ2齢
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ヒラタ2齢
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ヤエコ3齢加齢直後
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ヒラタ3齢加齢直後
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特徴は言語化しにくい事この上なく、上の記述でニュアンスが伝わるか不安です。各自見比べてください(投げやり)

6.ヤエヤマコクワ幼虫生態のまとめ

一度ここでヤエヤマコクワの幼虫生態に関して整理します。また、今回は普段のハナムグリ記事と異なり観察事例が極めて少ないため、あくまで私個人の私見、仮説と捉えてください。

1.生息(利用)環境
生息域は島の中央部等に限定されていない。他希少種のように古木が立ち並ぶような環境を必須としている訳では無いと予想。恐らく必要条件は150メートル以上の標高かつ湿度と風通しを両立した環境。

2.産卵を行う箇所
本亜種、ならびに他亜種の採集例を踏まえると風通しが良く白色腐朽菌が成長しやすい樹上の枯れ枝を利用することがわかる。確定していることはあくまで「利用できる」事実のみに留まっており優先的に利用しているか否かは不明。ただ、従来提唱されていた「沢沿いの倒木や立ち枯れ」には高確率でサキシマヒラタが入るため、競合の必要性が発生する。対照的に樹上の物件はヒラタにとって利用しにくい環境であるため本種が落ち着いて生育しやすい環境と言えるのではないか。

3.予想される発生サイクル
今回は3月上中旬に2齢後期幼虫が得られた。この事から、本個体は秋頃産卵されたことや羽化時期が概ね7月以降と予想できる。にもかかわらず、本種の交尾済みのメスは6月を中心にライトトラップで得られている。今回採集個体が標準的なサイクルを送っていると仮定した場合、本種は夏〜秋にかけて羽化した後、春先まで成虫休眠しているもしくは後食後に再度休眠に入るといった、ヒメオオクワガタと類似した発生サイクルを営んでいるのではないか。休眠個体は春先から夏頃(◯ちゃんシーズンにメスが得られている例もあるため、晩秋まで産卵を行っている可能性もアリ?)にかけて産卵を行い、新成虫の一部は秋頃に活動し、産卵を行うものと思われる。

4.飼育で得られる知見と重なる箇所
本種の最適な産卵セット方法は、マットに材を埋め込む方法ではなく、カワラ材を転がすやり方であると聞き及んでいた。今回幼虫が得られたポイントも、埋没材ではなく樹上や転がっている材からであった。また、本種は飼育下においても産卵数が多くない上に、ダラダラと産み続ける傾向にある。野外において、他のヒラタやノコギリといったクワガタは通常同じ材から多数の幼虫が得られるが、今回採集した本種を含めるアマミコクワ系統幼虫は、どれも単独もしくは2匹で材に入っていた。本種の「一度の産卵数を減らし、長い寿命を利用し、産卵行為自体の回数を増やす」という戦略は、枯れ枝という体積の限られた環境を利用するにあたり、一つの枯れ枝に産み付ける数を減らす代わりに、長い寿命を持ってより多くの枯れ枝を探すことで、一個体の利用可能な資源量を、十分に成長可能な量に増やし、生存率を上げるための戦略なのではないか。

7.これまで未発見だった理由を考える

ハナムグリ等のマイナー種や、極小のクワガタ等とは違い、本種は美麗かつ最大型亜種、かなりの人気を誇ります。何より高値がつく 当然、プロアマ問わず幾多の人々が生態を調査しできたでしょう。にも関わらず、これまで幼虫が採集されることはありませんでした。アマチュア文系大学生の身分でプロ採集家やその道の研究者に物申すのはおこがましく大変恐縮ですが、これにはいくつかの原因があると考えています。まず二つの先入観です。

1つはアマミコクワ幼虫が発見された際の生態情報が常識、先入観となり採集者を縛り続けていたこと。沢沿いの倒木や立ち枯れを利用するにあたり、西表島には奄美よりも強い競合者、つまりサキシマヒラタや各種ゴキブリなどが立ちはだかります。奄美や徳之島であれば利用できる環境も、西表で利用できるとは限りません。

次に、中大型のクワガタは樹上の細枝を利用しないという先入観。これは私の偏見になってしまいますが、クワガタ材割りにおいて樹上の枝を積極的に調べる採集者はかなり少ないのではないでしょうか。何故ならそのような物件に虫が入ることを知っていたとしても、他に個体数を確実に稼げる環境が幾らでも存在するからです。

これらの先入観に加えて、仮に「本種が樹上の枯枝を利用する」という事実を知っていたとしても、採集数が稼げないことにも理由があると考えています。西表島での採集時間は徳之島(約7時間)の3倍以上ありました。にも関わらず、ヤエヤマコクワの採集数は1匹、トクノシマコクワの採集数は8匹と、大きな隔たりがあります。
上記2種を採集した物件は共通して「柔らかい落ち枝」が中心でした。ですが、落ち枝を拾った環境に違いがあります。徳之島においては林道や作業場時にはアスファルト上など、人工的に拓かれた環境で材を拾った一方で、西表島における本種の生息域内にそのような環境は殆どなく、今回も山中で材を拾っています。
菌やクワガタ自身により柔らかく分解されかけている落ち枝が林床に放置されていれば、他の生物の手によってすぐさま分解されてしまうでしょう。徳之島においては人工的な周辺環境が落下した材の分解を遅らせていたものと思われます。一方で、西表島においては本種の入る材が落ちる先は豊富な微生物や節足動物ヤエヤマイノシシが跋扈する林床、もしくは沢の水中といった箇所でしょう。このような環境の差異が、両島の採集難易度に大きな違いを生んだのではないでしょうか。徳之島はコクワの生息域に人工的に拓かれた環境がある。西表島においても、島を横断するような舗装路が出来れば本種の幼虫は採集しやすくなるのかもしれません。
もっとも現時点で我々が空を飛べれば樹上の枯れ枝を叩いたり出来るのかもしれませんが...

最後に

これにてヤエヤマコクワの採集記、及び生態私見の記述は終わりです。西表に次回があるのかはたまた私自身に採集に行く余裕ができるのか社会人生活の先行きが全く不透明ですが、機会があれば成虫を材で出してみたいですね。若しくはこの記事を読んだ方が採集されることを期待しています。
さて、当ブログの読者様はタイトルにも見覚えがあったかと思います。当時某種の材採において、採り方を試行錯誤しつつ答えを導き出した経験は、後の3年間における私の採集スタイルの基盤となりました。言うなれば既存の情報や手法に頼りその場限りの採った採れなかったで満足するのではなく、常に経験や、仕入れた情報を組み合わせ生息環境を予測し仮説を立て現地で実証を行うといった、調査寄りの採集スタイルです。このスタイルは読者の方々に当該記事を面白いと言っていただけたために、私に定着したものでした。そして、今回の成果はこの採集スタイルだからこそ出せた物だと考えています。言うなれば読者様のお陰と言っても過言ではありません。改めてお礼を申し上げます。
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こんにちは。永遠の18歳です。
実際18歳です。

学生時代は悔いのないように遠征に行くべき!
といえども、何度も離島に行っていればあっという間に資金は尽きてしまいます。
加えて、自分の主軸であるハナムグリのベストシーズンは6.7月です。8.9月ともなれば採集個体からの採卵も難しくなる他、そもそも飛行機がハイシーズン料金に変わります。
そのため大学生の夏休みにも関わらず、暇を持て余すという事態が発生しています。そんな折私は電車という限られた交通手段を脱却し、を車という文明ぢからを手にしました。


これはヒメオオ行くしかねぇ!!!!

0.プロローグ ヒメオオと私

というわけで、今年の晩夏〜秋はヒメオオの成虫採集をメインターゲットに据え動いておりました。採集方法を把握した今でこそ、本来は造作もなく採れる虫であることがわかりました。しかし、自ら試行錯誤を繰り返し断片的な情報を手に入れていく過程、そしてそれらが繋がった瞬間の快感を共有すべく、採集記を書くことにしました。

度々三重を推していますが、本来私は関東在住です。近場には丹沢や奥多摩といった高山帯があります。これまでもムラサキツヤやミヤマオオを狙いに行くついでに、ヒメオオが採れればいいな〜ぐらいの認識で、探し自体はしていました。食痕は確認して居たものの、結局採れなかったという事情もあり、今年は割と本気で狙いに行きました。結果、3回の敗走を喫し、4回目でようやくヒメオオの成虫を手中に収めることとなります。今回はその過程を記事に纏めてみます。

第一回 8月下旬 福島遠征

記念すべき第一回は某名産地にてルッキングを試しました。5人で車に乗り込み、免許持ちは私のみ、野宿+初の高速道路という不安要素のフルコース。それでも当時は「流石に有名産地に行けば採れるだろ笑」ぐらいの気構えでした。この認識が甘かったワケですね。


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道中風景はTHE 夏といった感じでした。先月遠距離恋愛を解消し、サークルなどにも入っていない私には眩しすぎる光景です。風景プラス有名産地ということで最早隠す必要はないのですが今回は日本三大秘境に数えられる福島の山奥まで車を走らせました。トンネルカーブ180キロ追い越し(早口イキリオタク)などの絶技を交えても到着したのは午後の13時、すっかり気温は上がりきっていました。

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自分語りばかりしても仕方がないのでヒメオオクワガタについて少しばかり概略をば。
ヒメオオクワガタは標高1000m前後の冷涼なブナ帯に生息します。クワガタの中でも珍しく昼行性であり、広葉樹全般の林縁や樹幹の細枝を齧り滲み出る樹液を糧にしています。
そのため、昼間に道沿いのヤナギやカンバ、カエデ、なんかのツル植物(名前忘れた)のような樹木の細枝をしらみ潰しに確認していくといった採集方法が有効です。↓こんなの

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主に初夏(晩夏にも産卵?)産卵された幼虫は極めて硬いブナの白枯れ材を食しつつ、1年〜2年の幼虫期間を過ごします。羽化時期は春と秋に集中しており、新成虫は晩夏に活動し、越冬後に産卵するといった具合です。活動サイクルに関しては不明点も多いため割愛させていただきます。(昼行性昆虫のサイクル原則に従えば、晩夏に羽化した個体は日照の初夏に羽脱、そのまま産卵、初春〜夏季に羽化した個体は秋に活動を始めて成虫越冬、もしくは蛹室内で来春を待つといった具合でしょう。)

上述したような木を眺めていると、至る所に齧られた痕が残っていました。しかしながら、この日は散々苦労したにもかかわらずアカアシやスジといったいわゆる雑魚クワガタしか採れませんでした。これでは(たか)おやまと変わりません。

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失敗要因としては2点考えられました。
まず、何しろ気温が高い。ヒメオオクワガタは冷涼な環境を好む虫です。この日は天気も良く気温も30度近くあり、地面からの照り返しを加味すればとてもヒメオオが活動できる環境ではありませんでした。

それに同業者。社会人との競合を避ける為にわざわざ平日を選んで行ったにも関わらず、交通の流れを塞ぐほどそこかしこにクワガタ狙いの車が停まっています。おい虫おじ、働けよ。
ヒメオオは少しの振動でも枝先から落下することで身を守る本能があります。これほど人がいれば隠れてしまうのも致し方ないでしょう。。有名産地にはこのようなリスクが付き物です。一応同業の方に様子を聞いたところ、採れてる方もいらっしゃったようですが、個体数としてはやはり少なかった様子でした。まぁ〜見る目がなかったんでしょうね!!

更にハプニングが発生。どうやら林道で車の下を擦ったらしくアクセルを踏むたびに

「ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!」


エンジンから愉快な爆音が。走行に影響はないと判断し、夜間の灯火ルッキングをする事にしましたが、昼間の高温から一転10度近くまで気温が下がり、あまつさえ美しいまでの十三夜月LED化の影響もあり虫自体が殆ど飛びませんでした。それどころかそのまま走り続けていたところ夜中の2時ごろ車の中から異臭が発生。
やっぱり壊れてるじゃないか...

焦りに焦り停車、レンタカー会社に連絡したところ、「エンジンに重大なダメージがあるかもしれない」とのこと。ヒメオオは採れないわ、灯火に虫が集まらないわ、あまつさえ山奥で車を壊すわ、一同のテンションは地の底、友情瓦解の危機まで陥りました。

レンタカー会社から提示された選択肢は二つ。自力で最寄りの営業所まで走り代車で東京まで帰るか、レッカー車を呼び公共交通機関で帰るか。前者は更なる故障悪化のリスクがありますし、後者については、レッカー車代金が気掛かりな上徒歩圏に駅がありません。日が昇ったら車の様子を確認しながらゆっくりゆっくり最寄りの営業所まで運転する事にしました。
もしエンジンが壊れていた場合、走り続けて取り返しがつかなくなった時に修理費が車の値段を超えるハメになりそうだったので、せめて原因を特定しようとしましたが原因を調べてもペーペーの素人にはわかるわけもなく。と言う事で車修理工の友人にダメもとで電話したところ夜中にも関わらず出てくれました。

友人指導の元各所を調べると、なんとただマフラーの取り付け部が少し壊れているだけだと言う事実が判明しました。脅かすんじゃねーチクショウ。あわや何百万の弁償の危機に陥りそうだったワケです。極暑の昼間から一点、寒さで睡眠を取れないまま2日目を迎えます。気温が上がる前に早朝からルッキングを片っ端から行うも、肝心のヒメオオは皆無。やたらアカアシが湧く木を見つけるのみでした。
 
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うーん夏。唯一道から大分離れた場所にヒメオオらしき影を見つけ、7メートル竿を無理やりテープでぐるぐる巻きにして繋げ網を伸ばすもあえなく落下のち失踪。

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泣く泣く渋い結果でこの日は東京に帰る事になりました。もうギリギリの眠気と疲労と戦いながらボロボロの状態で帰りましたとさ。

成果としてはアカアシが40匹ぐらい(何故数えた?)、スジが10匹ぐらい、アオカナブンやらコブヤハズカミキリがちらほら...奥多摩で十分な成果です。このように、初戦は惨敗。ルッキングに関しては実力不足が否めないので修行するぞ修行するぞ。思いかえすとめちゃくちゃいい青春です。流石に福島は遠いという事で第二回目は比較的近場にポイントを絞りました。
初回のまとめ(ルッキング)
・気温が高すぎると採れない(?)
・同業者が多いと採れない
・見る場所にも気を遣うべき

第2回 9月初旬 N県某所

今度は近場だから安心!
と言うことはなく...しっかりトラブルに見舞われました。第1回戦は真っ只中にトラブルが発生しましたが第2回戦は主に出発前にトラブルが。

・2泊3日観光も兼ねて行くつもりが台風直撃
・タクシー専用スペースに進入、待ち構えてたネズミ捕りに捕まり罰金7000円

滅茶苦茶なスタートを切り、結局東京を出たのが10時頃という大惨事。現地に到着、標高は1300メートル前後です。ちなみに、800メートルあればヒメオオは生息するとの事ですが、最近は温暖化の影響(マユツバ)で1000はないと厳しいとか。気を取り直して林内に入ると晩夏名物のあのクワガタが。

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オニクワガタのメス。尚持ち帰った友人曰く「帰ってすぐに産卵一番買いに行って帰って来たら死んでた」との事。こんな夏っぽい写真撮れてますけど9月オニクワはもう寿命を迎えて死に始める頃です。しょうがないね...

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狙いはヒメオオですが、森が比較的古めのブナ林で、林道のようなものがありません。林縁の細枝をルッキングしても成虫の姿は見つかりませんでした。上のような写真もブナの巨木が倒れた場所に出来たギャップです。そのため今回は材割りにシフトし、そこらの材を割っていました。冒頭にも書いた通り、食痕が入る材自体の検討はついていましたが、このクワガタは低地の普通種と比べ、食痕の割りに本体の出る確率が非常に低い。おそらく冷涼な環境かつ材自体が硬い≒比較的新しいため、食痕が残りやすいのでしょう。オニクワ等を追加しつつヒメオオ材を探して行くと、しばしば成虫のパーツが見つかります。そして、掘り進めるとついにヒメオオの幼虫が。

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この日は日が暮れたのでこれにて終了。
とりあえずこのポイントにヒメオオが生息している事は確認できたワケです。一応成虫狙いで来たので今回も外れ枠。帰りは大渋滞に巻き込まれ、無事台風に捕まりましたとさ。

3回目 11月初旬 N県某所

3度目の正直が大分遅くなってしまいましたが、忘れていたワケじゃありません。小規模遠征皆勤賞の友人と中々都合が合わなかったため、間が空いてしまいました。今回は高山地帯だったので少し早い紅葉の見頃、高校生2人と大学生自分含め3人です。今回こそは()トラブル無くスムーズに到達したので、早速割り始めます。

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赤枯材からはツヤハダが。ツヤハダは頭の色が薄く形状も独特なため簡単にわかりますね。

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あくまでメインはヒメオオです。ブナ材を割りつつオニやスジを出していると、意外にも柔らかい材からヒメオオの蛹が出ました。

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その後も幼虫は追加しますが何しろ材が硬く、思うように追加が出ません。幼虫や蛹室内で死亡している成虫の死骸を見つけつつ、割り続けます。

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午後に差し掛かる頃、ようやく一つの事実につき当たります。食痕があるのに!いない!といった材は早めに見切りをつける。当たり前やろ!と思うかもしれませんが、ヒメオオ材自体の水分が多く、どの食痕も新しく見えてしまいます。加えて食痕の絶対量が多いと、いないと分かっていても無駄な期待をしてしまうといった事情がありました。頭では薄々分かっていても行動に移せない。人生の真理にぶち当たった気がします。

少し掘っても幼虫が出ない場合、その材は既に古くなっており、固かろうがヒメオオの好む朽ち方ではなくなってように思えます。そのような材からは、古くなった成虫の死骸等も出てきました。このことから、本種が林道沿いのような環境に多く発生するかのような見えるのも、成虫が枝を齧りやすい木が多いとか、人目につきやすいからといった理由に加え、道を拓くために切り倒された材木、つまり新しい材が補充されるから、といったことが言えそうです。

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ヒメオオ材は非常に硬く、とにかく手が疲れます。適当に赤枯れ材を叩いているとツヤハダマンションを当てました。

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ツヤハダもネブトみたくピンポイントに密集する感じがします。太ももサイズの材の端っこを割るだけですぐにルアケが一杯になってしまったので中止。200匹以上いたんだろうなと。

タイムリミットが迫る頃、到底ヒメオオが入らなさそうなブナではない細材から高校生君がヒメオオ♀成虫を掘り当てました。
 
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そして大学生組が追加を得られない中で、高校生組はオス成虫を追加。初採集だったらしく、ひどく喜んでいたので連れていってあげた甲斐があったかなと。

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といいつつ、成虫坊主をキメた大学生組の心は復讐心でギラギラしてましたとさ。

今日の負けは明日の糧ということで、何故採れなかったのか、なぜ高校生組が成虫を出せたのか、考えてみましょう。

・今回は硬い材を割り続け、無駄に体力を消耗した。
・その中で、蛹室から脱出できずに死んでいるであろう個体を多く目にした

ここから、「ヒメオオといえども羽化した場所が硬い材木の内部であれば羽化後に脱出ができない。成虫は表面の脱出しやすい箇所にいるのではないか。」といった旨を考えました。(こんなこと書いてる今では当たり前すぎて笑ってしまうのですがそこはご愛嬌)さらに、

・高校生組が使ってたのは表面を広く削ることのできる「斧」、大学生が使ってたのは深く掘り下げるブロックハンマー

繋がってしまいました。

第4回 11月中旬 N県某所

連敗続きで寝覚めの悪い事悪い事。居ても立っても居られず再度出撃。今回はレンタカーではなく、知り合いの方が車を出してくださったので朝4時に出発。時間を気にせずフルで採集できました。装備も貧弱なブロックハンマーから斧や鉈と言った物にレベルアップ。

早速鹿のお出迎え

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現地到着と同時に日が差す感じでした。ちなみに前回、前々回と若干の小雨で滅茶苦茶寒かったので単純に晴れたのが嬉しい。そうは言っても気温は一桁にまで落ち込んでいます。

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前回の反省を活かし今回は割る材の条件を絞り材の表面を浅く広く、かつ食痕を深追いしないという、体力を最大限にセーブするやり方で攻めていきます。探していたのは主に水分が若干多めの倒木だったのですが、立ち枯れの乾燥した上部からも食痕や死骸が散見されました。この材の上部からは死骸が多数出たものの、食痕も古く、成虫は出ませんでした

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しかしながら水分の多い下部からは幼虫や

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蛹は出ました。春と秋に羽化するようですが本当みたいですね。

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それでも成虫は出ません。もう後には引けない状況だったので、無我夢中で材片っ端から割っていきます。大きな谷に橋のように掛かるバカでかい倒木に手をつけました。経験上どのクワガタも脱出時は材の接地部分柔らかい部分に蛹室を作ってる傾向にある気がしたのでヒメオオ材もひっくり返せる物は悉くひっくり返してましたがブナの巨木が倒れた物が多いので中々簡単にはひっくり返せません。仕方がないので側面を攻めていきます。すると、唐突にかなり大型の蛹が出土しました。

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蛹が出て何故成虫が出ないのか。と思ったものの、今までの道のりを思えば、蛹すら出ないまま食痕があるという理由だけで掘り続け、無駄に体力(握力の限界)を消費していた頃と比べれば大進歩、僥倖の極みです。結局何事も諦めずに続けるしかないということですね。腕の疲労も限界に近づいた頃、意外にも勝利はあっけなく訪れました。
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見落とす筈も無く。

4回目にしてやーーーーっっっっとメスの成虫に出会えました。しかもか、な、り、デカい。
この時、嬉しさも勿論ありますがそれ以上に安堵の方が大きかったです。

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まぁ〜〜〜叫びました。力の限り。毎度この瞬間が楽しくて虫採りやってるようなもんです
アドレナリンドバドバで疲労も痛みも一瞬で吹き飛びます。これでこの時期、この材に成虫がいることが確定しました。一同、疲労も忘れガンギマリ大興奮で同じ材を割っていきます。
すると...幼虫が...!ではなく右下にご注目、見えますか?

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ついに念願のヒメオオオス大歯成虫!初回にして50up!

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手が震えてロクな写真が残ってませんが、せめてもの臨場感をお届けできればなと思います。

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その後も割り進め、メスを追加。

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オスも追加。サイズは先程の個体よか劣りますが、十分立派な個体です。

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ここまで2ペア、3人で来たのであと1ペア欲しいところ...でしたが...不幸は続くもの、そしてまた幸運も続くものです

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皆勤賞の友人も無事成虫を掘り当て、我々のヒメオオリベンジは完成しました。この後もう1メス掘り当て無事3ペア揃いましたとさ。
何故か出てきたクソデカミヤマくん

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以前までヒメオオらしき幼虫が出た場合、同行者が軒並み持って帰ってましたが最早ある程度大きさがある3令以外には見向きもしない程度まで来ました(羽化させるの面倒だし...)

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数時間で十分な量、サイズの個体を確保できました。目標としては30mmほどのチビでもいいからせめて生きた成虫を...といったレベルだったので流石に嬉しいですね。メスも32ミリと比較的大型です。文句無しの大型ペア。標本箱に納めるには最高の個体です。

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とりあえず、リベンジは完全成功です。
こんな絵面が見たかった。やっぱ諦めないって大事ですね。

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今まで「ヒメオオ足長くてなんか弱そうだしどうせガチれば余裕っしょw」といった感想を抱いていましたが、改めて自分の手で実物を掘り出すとツヤ、顎の形状、ダサいと思っていた長い脚まで魅力的に映ります。ツヤは太陽光を跳ね返し体温の上昇や外敵からの発見を防ぐために、鋭い顎は自ら枝を削り吸汁するため、長い足は枝先にしがみつく樹上の生活に特化したもの、全てが究極の機能美です。
長かった...この余韻に1週間以上浸り、この記事を書くのにも1週間以上かかりました笑

長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。今後もたまにはクワガタの記事も書いていこうかと思います。

ヒラタの記事も書いたしヒメオオの記事も書いた、次は何を狙いましょうか。ヒメオオと来たら次はアイツしかいないでしょう。


今回の主役はダイトウヒラタ君です。出オチ感があるのですがタイトルは詐欺です。

まずは本種の生息地について説明しなければなりません。本種ことダイトウヒラタは名前の通り大東島に生息しています。

大東島...いや、どこそこ?というのが普通の方々の反応だと思います。


ここ。いや、遠すぎるってね。

沖縄本島からフェリー、ないしは飛行機が出ているようです。一般の人であれば、極一部の物好きが気まぐれに旅行に行く程度でしょうか。
ダイトウヒラタの生体は市場で安価に手に入ります。その上、他の特産種がマメクワガタしかいません。(ヒサマツサイカブトという激レア昆虫がいますがUMAみたいな物なので)そのため中々現地まで生体を採りに行く人がいません。

さらに南大東島はともかく、北大東島はクワガタが採れるような規模の森が少なく採集難易度が凄く高いらしいです。
つまり、北大東島のヒラタは凄くレア!と言っても差し支えはありません。

されど、本種はレアと言えども所詮は国産ヒラタ、飼育が簡単、累代にも強い、良く増える、の三拍子。サイズにも寄りますが、1000円前後で叩き売りされています。悲しいなぁ... ただ虫の価値は値段じゃないですよね。という訳で以下本種の魅力をお伝え出来ればなと思います

2016年6月産卵セット
2015年に譲り受けた個体を羽化させ、セット。800ボトル2本にrushでうかさせました。
♂ 51×♀26ミリ。温度は25度前後。
セット期間は2ヶ月程。コバシャミニに通常のクワガタ用マット、私は通常の飼育にはドルクスキング様のクルビマットないしはアンテマットを常用しています。これを固詰め、材は入れず水分多めといった具合です。 管理能力の問題で30程取って、終了。 どんなマットでも簡単に産むと思います。現地だと結構粗末な材にも入るらしいので...


強いて言うなら500プリンカップから800ボトルのリレーでマトモ(?)なサイズが羽化してきます
幼虫のサイズとは裏腹に、成虫が中々大型化しませんが、技量の問題なのか、そのような虫なのかはわかりません。ヒラタは餌を切らすとすぐに蛹化ムーヴを見せ始めるので、如何に餌を切らさないようにするか、交換や温度変化のショックで蛹化させないか、底面積に還元できるケースを用意するかといった箇所がコツだと思います。大してやってないけど

2017年3月羽化
最大♂サイズ48と小さくなってしまいました。
日に当たっているのもありますが新成虫の赤みが非常に美しいですね。
先日越冬させるつもりの個体を1ペア叩き起こしセットを組みました。再びコバシャミニにrushマットを振るいがけ、水分多めで固詰めです。
一周やって飽きてしまったので続けるかは不明です。なんて適当な記事なんでしょう。
 
以下成虫画像。
本種の最大の特徴はその体色です。小豆色〜光の当たり具合によって赤に見えます。世界規模で見てもこの体色は綺麗な部類に入と思いますヒペリオンみたいな。豆ピカ個体はとりわけ綺麗です。小型個体でもアドバンテージになったり。 勿論国内でも唯一の色付きヒラタです。ちなみに南より北の方がツヤと赤みが強いらしいですが殆ど違いがわかりません。


そして足が太短く、胴体も太短いです。
現地だと後食も行わないようですので、発生木から移動の必要がありません。故に脚部が退化したのでしょうか。そして本種は分類的に国内ヒラタの祖先が南方から移入する際、最初に分化した種類だそうです。確かに他の亜種とは特徴が一目瞭然ですね。
顎も短め。


メスもピカピカツルツル。勿論足も短く、かわいらしいです。ある意味ヒラタの魅力とはこうして頭を腹面から見た時だと思います。


採集経験のある方ならわかると思いますが、ウロを覗いた際に、両顎の付け根の間の金色の毛が生えてる部位でコクワじゃないとわかった時の喜び、あると思います。

世界的にもこのレベルの発色を呈するヒラタクワガタは珍しい思いますが、何故それが日本の小島でのみ定着、繁栄したのかは、自然の神秘とも言うべきでしょうか。感慨深いものを感じますね。大東島には外来種を除き特産のハナムグリがいないので恐らく私自身出向くことはないと思いますが...単純に観光で訪れてみたい島ではあります。本種はいずれ機会があったら現地で見てみたいですね。

それでは。

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